TEM Messtechnik社の周波数・波長安定化装置 LaseLockは、サイドフリンジ安定化もしくはトップフリンジ安定化によりレーザーの発振波長や周波数を安定させる装置です。半導体レーザー,色素レーザー,チタンサファイアレーザーなど、様々なレーザー発振器の動作を安定させることが可能です。
アプリケーション
- レーザー発振器の周波数ロック
- サイドフリンジ、トップフリンジ安定化
- 外部共振器型半導体レーザーの波長安定化
- 光学キャビティの周波数安定化
動作原理
サイドフリンジ安定化とトップフリンジ安定化の2種類の安定化方法があります。
サイドフリンジ安定化
計測シグナルから直接識別シグナルが得られる場合に可能です。
トップフリンジ安定化
トップフリンジ安定化は周波数変調と位相同期検出を利用します。レーザーの周波数変調、もしくはキャビティー長での変調などを利用し、検出信号は変調信号と乗算されたあとローパスフィルターで平均化されます。結果、ロックイン信号は、その変調周波数と関係する信号として導き出されます。この値は、ほとんどの場合、直接測定された信号よりもノイズやオフセットが少ないので、実験に直接使用が可能です。
この導関数のゼロ交差は、検出信号の最大値(もしくは最小値)を表します。そのような極値へのレーザーもしくはレゾネーターの安定化において、ロックイン信号はレギュレーターで処理されます。そのレギュレーターは、レーザーもしくはレゾネーターの周波数決定素子にフィードバックされる(直接、または高電圧アンプを通したピエゾアクチュエータの為に)、適当な制御信号を発生させます。このように、制御ループは閉じられ、レーザー(または、共振器)はアクティブに最大(または、最小)値にロックされます。
ブロックダイアグラムおよび動作モニタ
導入事例1
外部共振器型半導体レーザーの原子吸収線へ波長ロック
構成品
- LaseLock
- ピエゾ駆動周波数走査レーザー
- 分光用吸収セル
- ビームスプリッター
- フォトディテクターx2
- アナログオシロスコープ(X-Yモード、>20MHz)
この構成では、ダイオードレーザー、Ti:Sapphireレーザーなどのチューナブルレーザー分光用吸収セルを参照することにより安定化させます。これによりサンプルが最大/最小の吸収を示している値に周波数を調整可能です。
なお、分光用吸収セルには同社製コンパクト分光モジュール「 COSY 」をお薦めいたします。COSYにはドップラーフリー飽和吸収分光セットアップが全て含まれています。
導入事例2
ファブリーペロー干渉計や、ダブリング用リングキャビティなどの光学キャビティの周波数安定化
構成品
- LaseLock
- レーザー
- ピエゾ駆動のオプティカルキャビティ
- フォトディテクター
- アナログオシロスコープ(X-Yモード、>20MHz)
この構成では、干渉計に組み込まれたピエゾによりオプティカルキャビティの周波数をロックしています。これにより、実際のレーザー周波数に共振するようにキャビティを調整可能です。
主な仕様
入力シグナル
- インピーダンス:1MΩ
- 電圧レンジ:±1V(fast),±10V(Slow)
- バンド幅:300kHz(オプションで変更可能)
- サンプリングレート:2.5MSps(fast),200kSps(Slow)
出力
- 電圧:±10V @1kΩ
- インピーダンス:50Ω
- サンプリングレート:2.5MSps
ロックインアンプ
- モジュレーションレンジ:0.1Hz~1MHz
- 位相レンジ:0~360°
- カットオフ周波数:25Hz~850kHz
スキャンジェネレータ
- 出力周波数:0.1Hz~20kHz, 三角波・鋸歯状波
その他
- 動作電源:100-240VAC, 50/60Hz
- ハウジング:260×373×88mm
デモ機の貸し出し等にも対応可能です。詳細については弊社営業部までご相談ください。