TEM Messtechnik社のファイバカップリング安定化装置 FiberLockは、レーザーをシングルモードにカップリングし、最適な条件でロックすることに特化した安定化装置です。温度や振動などによる光軸ズレを自動的に補正し、最適なカップリング状態を維持します。
アプリケーション
- シングルモードファイバへの自動レーザー導光
- ファイバーカップリングの高効率化/高安定化
- アライメントの高速化
装置構成
FiberLock 3D
X-Yスキャン機能と3次元ディスプレイ機能を有したスキャン・レギュレーション回路です。
BeamScan 2D
ビームスキャンを行うピエゾユニットです。同社製および他社製のピエゾアクチュエータへの置き換えも可能ですが、専用ユニットにより簡単にシステムを組み上げることが可能です。
miniPia FiberLock
ピエゾ電源および増幅器です。他社製の汎用ピエゾ増幅器を使用することも可能ですが、同社製品であれば安定した動作が保証されます。
動作原理
通常、シングルモードファイバにレーザーをカップリングするためには、長時間安定な精密マイクロメータを使用した上で精密な光軸調整が求められ、非常に大変で時間がかかります。Fiberlockを使用することにより、kHz の応答速度で数百ミクロン平方の範囲の二次元スキャンを行い、レーザーをファイバに自動的に導光できます。
FiberLockのスキャンモードでは、ファイバを通った先のディテクタで受光しながら、入力側のピエゾアクチュエータを使って位置スキャンを行うにより、最適なカップリング条件を導き出します、その後レギュレーションモードに移行し、デュアル位相ロックイン技術を用いた測定により、最適なカップリング条件から光軸が外れるとPID制御によりビーム位置の補正が行われます。この両モードによって、カップリング条件の最適化とその後の安定化が1台で実現します。
ディテクタによる受光状況はアナログまたはデジタルの3次元画像として出力することが可能で、各方向それぞれからの表示に切り替えることが可能です。
主な仕様
対応波長 | 標準:380~1100nm |
対応スキャン角度 | ±0.5℃ |
最大スキャン帯域 | 400~700Hz |
スキャンレート | 1~1000Hz |
検出器入力感度 | 10mV~2V |