Physical Sciences Inc.(PSI)社のOP-GaAs結晶は、中赤外光用の非線形光学結晶です。OP-GaAs(Orientation-Patterned Gallium Arsenide)結晶は、特に3-5µmおよび8-12µmのチューナブル光を作り出すことに適していますが、発振可能な波長自体は3-12µmという広い範囲となっています。
OPOやDFGといった非線形光学プロセスによってチューナブル光を生成出来るほか、CO2レーザーのSHG光発生用の波長変換結晶としても適しております。 波長変換プロセスにおいてOP-GaAs結晶は高い非線形係数を持つため、1W以上の高い平均出力のCWレーザーや、50kW以下の比較的低めの出力で高繰り返しのDPSSレーザーなどに最適なマテリアルです。
アプリケーション
- 中赤外光発生
- 中赤外光波長変換
- リモートガスセンシング
- 周波数コム分光
疑似位相整合技術
PSI社のOP-GaAs結晶は、擬似位相整合(QPM)プロセスを用いて効率的に波長変換が行えるように、特殊なパターニング処理が施されています。
OPOチューニングカーブ
主な仕様(標準値)
位相整合方式 | 擬似位相整合(QPM) |
QPM回折格子厚さ | 0.5~0.6mm |
QPM回折格子長さ | 1~40mm |
QPM回折格子幅 | 1~10mm |
QPM間隔 | >40μm |
熱伝導率 | 55 W/m/K |
吸収係数 @10.6μm | 0.01 cm-1 |
温度係数 dn/dT | 20 ppm/℃ |
実効非線形係数 | 57 pm/V |
ダメージ閾値:パルス | 1J/cm2 @パルス幅10ns, 波長2μm |
ダメージ閾値:CW | >500kW/cm2 @波長10.6μm |
※ARコーティングはご依頼により追加可能です
※加熱機構や冷却機構などの温調も必要に応じてご提案させていただきます