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HEM Ti:Sapphire結晶

GT Crystal Systems社のHEM Ti:Sapphire結晶は、非常に高品質なレーザー発振器・増幅器用チタンサファイア結晶です。HEM(Heat Exchanger Method)という手法で結晶成長を行うことにより、優れた光学特性を持った世界最大のTi:Sapphire結晶を製造することを可能としています。

HEMによる結晶成長はTi3+イオンを最大限にするため、還元性雰囲気の中で行われます。その結果、寄生吸收を減少させ、FOM(Figure of Merit=性能指数)は最大化されます。これにより、優れた均質性と小さい波面収差のレーザーロッドを製造することができ、ビームプロファイルの品質などをほぼ犠牲にすることなく、高いエネルギーレベルに達するレーザーシステムを実現します。

平行平面,ブリュースターカット,その他の形状,コーティング仕様など、多くのデザインが選べます。サイズは3mmから175mmの大型まで対応可能です。

アプリケーション

  • 超高強度レーザー
  • チタンサファイアレーザー
  • レーザー発振器
  • レーザー増幅器

ブリュースターカット形状

発振器用などの小さなチタンサファイア結晶では、反射損失を最少にするために端面をブリュースター角にカット・研磨することができます。ブリュースター角は材質の屈折率に基づくため、通常1.76の屈折率であるチタンサファイア結晶のブリュースター角は60.4°となります。また、C軸ローテーションはπ光(P偏光)におけるパワーを最大にするためにとても重要となりますが、GT Crystal Systems社ではC軸に対するブリュースター角のアライメントを保持する独自の方法を開発し、結晶のパフォーマンスを向上させております。

性能指数試験

GT Crystal Systems社ではチタンサファイア結晶のは性能指数(FOM値)の検証テストが実施されていす。他社製結晶は高いFOM値を持っていると主張しながらも、GT Crystal Systems社が行うような、実際のFOM値テストが実施されていないケースが多いです。検証は514nmおよび800nmの吸収数値(α514およびα800)に基づいて行われます

高耐力ARコーティング

高出力のマルチパスアンプ増幅器に用いられる結晶のために高耐力のARコーティングを提供することも可能です。GT Crystal Systems社のコーティングは、特に高出力レーザーアプリケーション用にデザインされているため高い損傷閾値を示し、低いダメージリスクで高エネルギーの励起光の投入を可能とします。 

増幅特性

GT Crystal Systems社のチタンサファイア結晶は、800nmにピークを持つ660-1200nmの広い波長範囲で増幅特性を有します。この広いチューナブルレンジは、様々なレーザーアプリケーションにおいて、パフォーマンスを最大限に生かす波長選択の多様性をもたらします。

吸収・蛍光特性

材料特性

物理特性

組成 Ti3+:Al2O4
結晶構造 六方晶
単位セル a=4.758Å, c=12.991Å
密度 3.98 g/cm3
モース硬度 9 (ヌープ硬度1525-2000)
融点 2040℃

温度特性

熱伝導率 52 W/m/K
熱膨張係数 8.40×106/℃
比熱 0.42 W・s/g/k
熱容量 18.6 cal/K/mol

光学特性

レーザー活性 4準位系
吸収波長帯域 400~600nm
チューナブルレンジ 660~1200nm
蛍光寿命 3.2ms
ピーク断面積 3~4×10-19cm2
屈折率 1.76

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