TEM Messtechnik社の波長可変レーザー用安定化装置 iScanは、波長可変レーザーのモード最適化の静的/動的テストの為のユニバーサルツールとして、研究者の為にデザインされました。波長可変レーザーの高速かつ正確なスキャンニングが可能で、任意の波長へのステッピングやスキャン動作の監視、波長安定性測定などの機能を兼ね備えます。
アプリケーション
- 波長可変レーザーのスキャニング
- 波長可変レーザーの波長安定化
- 分光計測
- オプティクスの超高精度検査
装置構成
iScan 測定ヘッド
測定ヘッドは、干渉計オプティクス、フォトディテクター、プリアンプ、温度センサー&コントロールからなります。標準で380~1100nmの波長に対応しており、ファイバーカップルによるスタンドアローンモデルとしてはもとより、OEMとしてレーザー発振器に組み込むことも可能です。iScanシステムは、特許取得(US 6,178,002 / DE 19743493A1)の4つの独立したフォトディテクターを利用する干渉計をもっており、そのディテクターは90度位相のずれた複数の信号を受け取り、モードホップの検出や、チューニングの際の動向を監視します。
iScan ドライバ
ドライバは、iScan測定ヘッドの測定結果を評価するとともに、電流、出力、温度など、ダイオードレーザーを制御します。 フィードバックループが閉じている場合、レーザー周波数を安定化、もしくは走査するためのレギュレーター信号を送ります。
主な特徴
- レーザーキャビティのスキャンの調整と最適化のツールとして最適
- スタンドアローンだけではなくECDLへの組み込みも可能
- コンパクトデザイン
- 高精度に温度安定化がなされた光学セットアップ
導入事例1
波長可変レーザーのモード安定性チャートの取得
一般的な波長可変レーザーは電気的に共振器を動かす素子をもっています。 モードホップフリーの周波数スキャンを行うためには、この素子にかかる電圧/電流の複雑な制御が要求されます。 例えばLittrow型の外部共振型レーザーであれば、キャビティの温度,インジェクション電流,グレーティング位置調整を同時に制御する必要があります。iScanは高次元で任意の波形を作るジェネレーターとプロセッサーを搭載しており、全てのアクセス可能なパラメータを自動的にスキャンしてシングルモード動作に最適なパラメータを見つけ出します。
導入事例2
波長可変レーザーによるライダー分光
iScanを使用することにより、ダイナミックな周波数ホッピング,オフセット可変の周波数安定化,トップフリンジ安定化,サイドフリンジ安定化などが実現します。これによりチューニングパラメータを最適化した分光分析が可能となります。
導入事例3
フィゾー干渉計による高品質オプティクスの超高精度検査
従来の位相シフト干渉計は、位相抽出のために1/8波長ずつ動かされる参照面が必要ですが、この機械的動作は波長可変レーザーの波長シフトに置き換えることが可能です。このような用途において、iScanシステムは任意のステップ幅と高精度な波長/時間ステップを保証します。
主な仕様
波長レンジ | 380~1100nm |
必要最小パワー | 20~100μW |
FSR(Free Spectral Range) | 7GHZ or 14GHz |
ビーム径 | 0.7~3mm |
周波数安定性 | 50MHz:10 hour <1MHz:10 min |
ファイバーコネクタ | FC-APC |
計測ヘッド寸法 | 120×100×100mm |
ドライバー寸法 | 483×343×150mm(19インチラック対応) |
電源 | 100~120/200~250 VAC, 50/60Hz |
オプション
- コントロール電源へのダイオードレーザー用温度/電流ドライバーの組み込み
- 複数のレーザー光源に対応する為のファイバーカップリングユニット
- 通信波長帯対応
- FSR:1.5THz-8GHz、干渉長:0.1mm-13mm対応
- 高電圧/電流出力
- 同社製分光モジュール「Cosy」との組み合わせ